残置物撤去の費用は大家さんが払う?法的手続き・業者選び・トラブル回避を全解説

残置物撤去の費用は大家さんが払う?法的手続き・業者選び・トラブル回避を全解説

退去したはずの入居者の荷物が、部屋にそっくり残されたまま…。どうすればいいのか、費用は一体誰が負担するのか、そして何より法律的に問題のない正しい対処法とは?

このような状況に直面した大家さんは、焦りと不安で頭がいっぱいになるのも無理はありません。

残置物を勝手に処分すれば、元入居者から損害賠償を請求されるだけでなく、刑事罰に問われる可能性すらあります。一方で、問題を放置すれば家賃収入が得られない期間が長引き、経済的な損失は膨らむばかりです。

この記事では、残置物トラブルを解決するための全知識を網羅的に解説します。法的なルールや費用の仕組みを正しく理解し、信頼できる業者を選び、将来のトラブルを防ぐための具体的な行動計画を手にすることができます。

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【大原則】残置物を大家が勝手に処分してはいけない法的理由

【大原則】残置物を大家が勝手に処分してはいけない法的理由

まず、最も重要な大原則からお伝えします。それは、いかなる理由があっても、大家が独断で残置物を処分してはならないということです。たとえ客観的に見てゴミ同然のものであっても、法律上、その所有権は元入居者にあると推定されます。

「もう要らないだろう」「夜逃げ同然だから放棄したはずだ」といった自己判断は、極めて危険です。もし無断で処分してしまった場合、以下のような深刻な法的リスクを負うことになります。

  • 民事上の損害賠償請求
    元入居者から、所有権の侵害を理由に損害賠償を請求される可能性があります。たとえ価値が低いものでも、精神的苦痛に対する慰謝料を請求されるケースも考えられます。
  • 刑事罰(器物損壊罪)のリスク
    他人の所有物を故意に壊したり、その効用を害したりする行為は、刑法第261条の器物損壊罪に問われる可能性があります。この場合、「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料」という刑事罰が科されることもあります。

この「所有権」という法的な壁が、残置物問題の根幹にあります。焦る気持ちは分かりますが、この大原則を無視して行動を起こすことは、問題を解決するどころか、より深刻なトラブルを招きかねません。

だからこそ、これから解説する正式な手順を踏むことが、大家さん自身を守る唯一の道なのです。

残置物トラブル解決への3つのルートと費用・期間の全体像

残置物トラブル解決への3つのルートと費用・期間の全体像

残置物問題を解決するには、大きく分けて3つのルートが存在します。どのルートを辿るかによって、かかる費用と時間は天と地ほど変わってきます。まずは全体像を把握し、ご自身の状況に合った最適な道筋を見極めましょう。

解決ルート 概要 費用の目安 期間の目安
1:合意による任意処分 元入居者や連帯保証人と連絡を取り、書面で所有権放棄の同意を得て処分する
最も理想的な解決策
ほぼ0円
(書類の郵送費程度)
数日~数週間
2:法的手続きによる強制処分 元入居者と連絡が取れない、または交渉が決裂した場合に、裁判所を通じて合法的に処分する権利を得る 50万円~150万円以上 3ヶ月~半年以上
3:自分で撤去・処分 1または2で法的な処分権限を確保した後に、大家さん自身が片付けを行う
業者費用を節約できる
実費のみ(ゴミ袋代、運搬費など) 大家さんの労力次第

この表が示す通り、初動が極めて重要です。元入居者と連絡を取り、話し合いで解決する「1」が、時間的にも金銭的にも最も負担が少ないことは一目瞭然です。

一方で、いきなり「2」に進んでしまうと、多大なコストと時間が必要になります。まずは「1」の実現に向けて、最大限の努力をすることが、賢明な大家さんの選択と言えるでしょう。

【最短・最安ルート】所有権放棄の同意を得て解決する方法

【最短・最安ルート】所有権放棄の同意を得て解決する方法

トラブル解決の王道は、元入居者本人、あるいは連帯保証人から「残っている物の所有権を放棄します」という同意を正式に取り付けることです。このルートを成功させるための具体的なステップを見ていきましょう。

誰に連絡すべきか?(元入居者・連帯保証人)

まず最初に連絡を試みるべきは、当然ながら元入居者本人です。電話や手紙など、契約時に得ている連絡先をすべて使ってコンタクトを試みてください。

もし元入居者と連絡が取れない、あるいは話し合いに応じてもらえない場合は、次に連帯保証人に連絡します。連帯保証人は、滞納家賃だけでなく、原状回復義務(部屋を元に戻す義務)の一環として、残置物の撤去費用についても責任を負う立場にあります。

そのため、連帯保証人から協力を得られる可能性は十分にあります。

交渉の重要ポイントと「所有権放棄書」の絶大な効果

無事に連絡が取れたら、交渉に入ります。ここで最も重要なのは、すべての合意内容を必ず書面に残すことです。

「電話で処分していいと言われた」といった口約束だけでは、後から「そんなことは言っていない」というトラブルに発展するリスクが残ります。

このリスクを完全に排除するのが、「残置物所有権放棄書」という書類です。これは、「部屋に残した一切の物品の所有権を放棄し、貸主(大家)による処分に同意する」という意思を元入居者が正式に表明する書面です。

この一枚があるだけで、大家さんは法的な後ろ盾を得て、安心して残置物を処分することができます。

所有権放棄書には、最低限以下の項目を盛り込みましょう。

  1. 合意した日付
  2. 対象となる物件の所在地(住所、部屋番号など)
  3. 「物件内に残存する一切の動産の所有権を放棄する」という明確な意思表示
  4. 「貸主(大家)が任意の方法で処分することに同意する」という文言
  5. (最重要)処分にかかる費用の負担者を明記する
  6. 元入居者(賃借人)の署名・捺印
  7. 大家(賃貸人)の署名・捺印

特に5番の費用負担の取り決めは重要です。撤去費用を元入居者が負担するのか、敷金から相殺するのか、あるいは大家さんが負担するのかを明確に記載することで金銭的なトラブルを未然に防げます。

所有権放棄書のひな形(テンプレート)と作成時の注意点

すぐに使えるように、シンプルな所有権放棄書のひな形(テンプレート)を用意しました。これをベースに、ご自身の状況に合わせて修正してご活用ください。

残置物所有権放棄及び処分に関する同意書

年  月  日

(貸主)〇〇 〇〇 様

(賃借人)

住所:

氏名:           印

私は、下記物件の賃貸借契約終了に伴い、同物件内に残置した一切の動産(家具、家電、衣類、その他一切の物品)に関する所有権を放棄いたします。

つきましては、貴殿(貸主)がこれらの残置物を任意の方法で処分することについて、何ら異議を申し立てないことをここに同意いたします。

なお、本件残置物の処分に要する費用については、【賃借人/賃貸人】の負担とすることに合意いたします。

  1. 物件の表示
    所在地:東京都〇〇区〇〇町〇丁目〇番〇号
    建物名:〇〇アパート 〇〇号室

以上

【注意点】

このひな形は一般的なケースを想定したものです。残置物が高価なものを含む場合や、状況が複雑な場合は、念のため弁護士などの専門家に内容を確認してもらうことをお勧めします。

【連絡不能・交渉決裂ルート】法的手続き(強制執行)で残置物を撤去する全手順

【連絡不能・交渉決裂ルート】法的手続き(強制執行)で残置物を撤去する全手順

元入居者と一切連絡が取れない、あるいは交渉が決裂してしまった場合、残された道は法的手続きしかありません。時間と費用はかかりますが、これは大家さんの権利を合法的に実現するための最終手段であり、最も確実な方法です。

難しく感じるかもしれませんが、手順を一つずつ理解すれば、決して乗り越えられない壁ではありません。

1: 契約解除の通知(内容証明郵便の送付)

まず、たとえ入居者が行方不明でも、賃貸借契約を正式に解除する必要があります。家賃滞納がある場合は、「相当の期間(通常1週間~2週間程度)を定めて滞納家賃の支払いを催告し、支払いがなければ契約を解除する」という旨の通知書を作成します。

この通知は、内容証明郵便で送付します。内容証明郵便は、いつ、どのような内容の文書を、誰から誰宛に差し出されたかを郵便局が証明してくれるサービスで、後の裁判で強力な証拠となります。

2: 建物明渡し請求訴訟の提起

通知を送っても反応がない、あるいは契約解除に応じない場合は、裁判所に「建物明渡し請求訴訟」を提起します。これは、「建物を明け渡せ」という判決を求める裁判です。

ここで多くの大家さんが抱くのが、「相手の居場所が分からないのに、どうやって訴訟を?」という疑問でしょう。そのための制度が「公示送達」です。

公示送達は、相手の所在が不明な場合に、裁判所の掲示板に訴状を掲示することで、相手に送達されたとみなす法的な手続きです。これにより、相手が行方不明でも訴訟を進めることが可能になります。

この制度があるため、「夜逃げされたら何もできない」ということはないのです。

3: 強制執行の申立てと「断行」

訴訟に勝ち、明け渡しを命じる判決を得ても、それだけでは部屋の中の物を動かすことはできません。判決はあくまで「処分する権利を得た」というお墨付きです。

次に、その権利を具体的に実行するために、裁判所に対して「強制執行」の申立てを行います。申立てが受理されると、裁判所の執行官が手続きを進めます。

執行官はまず、物件を訪れて「〇月〇日までに退去しなさい」という最後通告(明渡しの催告)を行います。それでも荷物が残っている場合、指定された「断行日」に、執行官の監督のもと、専門の業者(執行補助者)が部屋の中の物をすべて強制的に運び出します。

運び出された残置物は、すぐに廃棄されるわけではありません。法律に基づき、一定期間倉庫などで保管された後、売却(競売)または廃棄されます。

なお、この運び出しや保管にかかる費用は、一旦大家さんが立て替える必要があります。

【最重要】残置物撤去の費用、全内訳を徹底解剖

【最重要】残置物撤去の費用、全内訳を徹底解剖

ここからは、大家さんが最も気になる「費用」について、あらゆる角度から徹底的に解説します。業者に依頼する場合の費用から、法的手続きにかかる費用まで、その内訳を正確に把握することが、無駄な出費を抑える第一歩です。

1:専門業者に依頼する場合の費用

専門業者に依頼した場合の費用は、主に以下要素によって決まります。

  • 残置物の量(㎥)
  • 作業員の人数
  • 作業時間

間取りごとの大まかな相場は以下の通りですが、あくまで目安としてお考えください。

【間取り・物量別】残置物撤去の費用相場

間取り 物量の目安 (㎥) 費用相場
1R / 1K 3~10㎥ 30,000円~150,000円
1LDK / 2DK 10~30㎥ 50,000円~300,000円
2LDK / 3DK 15~40㎥ 100,000円~500,000円
3LDK / 4DK 20~50㎥ 150,000円~700,000円
4LDK以上 20~70㎥以上 200,000円~950,000円以上

料金に幅があるのは、残置物の内容(リサイクル品の有無)や作業環境によるためです。

【要注意】追加料金が発生する主なケース

以下のような状況では追加料金が発生することがあります。見積もり時に必ず確認しましょう。

  • 作業環境が悪い:エレベーターがない建物の高層階、トラックを近くに駐車できない、階段が狭いなど、搬出に手間がかかる場合。
  • 特定の品目がある:テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象品であり、法律で定められたリサイクル料金が別途必要です。
  • 特殊な作業が必要エアコンの取り外し工事大量の害虫駆除、孤独死現場などの特殊清掃、ハウスクリーニングなど。

2:法的手続き(訴訟・強制執行)にかかる費用

連絡不能・交渉決裂ルート(2)を選んだ場合、物理的な撤去費用に加えて、以下の法的手続き費用が発生します。この費用を知ることで、安易に訴訟に踏み切るのではなく、まずは交渉で解決するメリットを再認識できるはずです。

項目 費用の目安 備考
訴訟の印紙代・郵券代 10,000円~20,000円程度 裁判所に納める手数料。
弁護士費用 50万円~100万円以上 法律事務所により大きく異なる。着手金と成功報酬で構成されることが多い。
強制執行の予納金 60,000円~80,000円程度 執行官に支払う手数料として裁判所に納める。
執行補助者費用 20万円~70万円以上 荷物を運び出す作業員の日当。荷物の量で変動。
鍵の交換・解錠技術者費用 20,000円~50,000円程度 断行時に室内に入るための費用。
残置物の保管費用 50,000円~150,000円以上 運び出した荷物を一時的に保管する倉庫代など。

ご覧の通り、法的手続きには高額な費用がかかります。これらの費用は最終的に元入居者に請求できますが、相手に支払い能力がない場合は大家さんが負担せざるを得ないケースも少なくありません。

残置物撤去の費用を安く抑える3つの賢い方法

高額になりがちな残置物撤去費用ですが、工夫次第で抑えることが可能です。

必ず相見積もりを取る

最も基本的かつ効果的な方法です。最低でも3社以上の業者から見積もりを取り、料金とサービス内容を比較検討しましょう。

1社だけの見積もりでは、その金額が適正かどうか判断できません。

買取サービスを積極的に活用する

撤去業者の中には、価値のある家具や家電、骨董品などを買い取ってくれるところも多くあります。買取金額を撤去費用から差し引いてもらうことで、総支払額を大幅に削減できる可能性があります。

見積もり時に「買い取れるものはありますか?」と必ず確認しましょう。

自分でできることはやる(※法的権限確保後)

所有権放棄書や判決などで法的に処分する権利を確保した後に限られますが、一般ごみとして出せる小さな物や資源ごみなどを自分で分別・処分することで、業者に依頼する物量を減らせます。

物量が減れば、当然費用も安くなります。

信頼できる残置物撤去業者の選び方【悪徳業者・トラブル回避チェックリスト】

信頼できる残置物撤去業者の選び方【悪徳業者・トラブル回避チェックリスト】

業者選びの失敗は、さらなる金銭的・精神的ストレスにつながります。法外な料金を請求されたり、不法投棄に巻き込まれたりするトラブルを避けるため、信頼できる業者を見抜くポイントをしっかりと押さえましょう。

必須確認!業者が持つべき「許可」とは?

家庭ごみを回収するには市区町村の「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。しかし、大家さんが事業として貸している賃貸物件から出る廃棄物は、法律上「産業廃棄物」と見なされる場合があります。

したがって、より確実に法を遵守するためには、業者が「産業廃棄物収集運搬業許可」を保有しているかを確認することが重要です。この許可を持たない業者が事業系の廃棄物を運搬することは違法行為にあたります。

許可番号は通常、業者のウェブサイトの会社概要ページなどに記載されています。見当たらなければ、直接問い合わせて確認しましょう。

優良業者を見抜くチェックリスト

以下の項目を一つずつ確認することで、悪徳業者に引っかかるリスクを大幅に減らせます。

見積もりは無料かつ「現地訪問」が前提か?

優良業者は、電話だけで安易に金額を提示しません。必ず現地を訪問し、物の量や作業環境を確認した上で正確な見積もりを出します。

電話口で「〇〇円でできます」と即答する業者は要注意です。

見積書の内訳は詳細か?

「作業一式 〇〇円」のような大雑把な見積書は危険信号です。人件費、車両費、処分費、オプション料金など、項目ごとに詳細な内訳が記載されているか確認しましょう。

また、追加料金の可能性を曖昧にする業者は、作業後になって高額な請求をしてくる可能性があります。

会社の所在地や連絡先が明確か?

ウェブサイトに会社の住所、固定電話番号がきちんと記載されているか確認しましょう。実態のないペーパーカンパニーの可能性もあります。

損害賠償保険に加入しているか?

万が一、搬出作業中に壁や床を傷つけられた場合に備え、損害賠償保険に加入しているか確認しておくと安心です。

口コミや実績は豊富か?

業者のウェブサイトだけでなく、当サイトのような口コミサイトやGoogleマップのレビューなども参考に、実際の利用者の声を確認しましょう。

要注意!悪徳業者の典型的な手口

国民生活センターにも多くの相談が寄せられています。以下のような手口には絶対に騙されないでください。

万が一、トラブルに巻き込まれてしまった場合は、一人で悩まず、すぐに消費生活センター(消費者ホットライン「188」)に相談してください。

脅迫まがいの請求をされた場合は、迷わず警察に連絡しましょう。

「無料回収」「格安」の罠

チラシやネットで「トラック積み放題〇千円!」などと極端に安い料金をうたい、荷物をトラックに積み込んだ後で、「これはオプション料金だ」「リサイクル料が別途必要だ」などと理由をつけて高額な料金を請求する手口です。

積み込み後の人質商法

高額な請求に納得できず支払いを拒否すると、「荷物を下ろすのにも費用がかかる」などと言ってトラックに積んだ荷物を人質に取り、支払いを強要する悪質なケースです。

無許可営業と不法投棄

許可を持たない業者が回収した残置物を、山中などに不法投棄するケースがあります。この場合、排出者である大家さんにも責任が及ぶ可能性があります。

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まとめ

入居者が残した荷物の問題は、多くの大家さんにとって頭の痛いトラブルです。

絶対に勝手に処分しないでください。 法的なリスクが大きすぎます。何よりもまず、大家さん自身を守ることを考えてください。

書面による合意(所有権放棄書)が最善の道です。連絡を取る努力を惜しまないでください。

交渉決裂時は、法的手続き(訴訟→強制執行)を踏むしかありません。撤去業者選びは慎重に行い、必ず複数の業者から現地見積もりを取り、詳細な内訳を比較してください。

もし、法的な手続きが複雑で手に負えないと感じたり、トラブルが深刻化しそうな場合は、弁護士や信頼できる残置物撤去の専門業者に相談することも賢明な投資です。専門家の力を借りることで、より迅速かつ円満な解決が期待できます。

よくある質問

残置物撤去にかかる費用は、最終的に誰が負担するのですか?

法律上の原則では、残置物の所有者である元入居者が撤去費用を負担する義務を負います。連帯保証人がいる場合は、その保証人も支払義務を負います。

しかし、元入居者と連絡が取れなかったり、支払い能力がなかったりする場合は、残念ながら大家さんが一時的または最終的に費用を負担せざるを得ないケースが多いのが実情です。そのため、まずは交渉で費用負担について合意し、書面に残すことが重要です。

元入居者と全く連絡が取れません。この場合、どうすれば良いですか?

元入居者と連絡が取れない場合は、まず連帯保証人に連絡を取ってみてください。それでも解決しない場合は、法的手続きに移行します。内容証明郵便で契約解除通知を送り、その後「建物明渡し請求訴訟」を提起します。

相手の所在が不明でも「公示送達」という制度を利用して裁判を進めることが可能です。判決を得た後、「強制執行」を申し立てることで、合法的に残置物を撤去できます。

業者に頼まず、自分で残置物を処分しても良いですか?

元入居者から書面で「所有権放棄書」を取得した場合、または裁判所の判決を経て強制執行の権利を得た場合に限り、ご自身で処分しても問題ありません。これらの法的な裏付けなしに処分すると、損害賠償請求や器物損壊罪に問われるリスクがあります。

法的な処分権限を確保した上で、自治体のルールに従って粗大ごみや一般ごみとして出すことで、業者に依頼する費用を節約することは可能です。