ゴミ屋敷の退去費用はいくら?相場から安くするコツ、賃貸トラブル回避まで解説
ゴミ屋敷の退去を前に、途方に暮れている方も多いのではないでしょうか。部屋の現状を前に「一体いくらかかるのだろうか」「大家さんや近隣に知られたらどうしよう」と、強い不安と孤独を感じるかもしれません。
このような状況は、誰にでも起こりうるものです。多忙な仕事、ストレス、人間関係の悩みなど様々な要因が重なって、気づけば部屋が片付かない状態になってしまうことがあります。
しかし、この問題は必ず解決できます。その解決の第一歩は、費用の全体像を正しく知ることから始まります。
この記事は、退去費用という漠然とした不安を解消し、次の一歩を踏み出すための具体的な解決策を説明しています。
単に費用の相場をお伝えするだけでなく、片付けができないという悩みに寄り添いながら、問題解決への道筋を一つひとつ丁寧に解説していきます。安心して、読み進めてください。
この記事のポイントは?
ゴミ屋敷の退去費用いくらかかる?

ゴミ屋敷の退去にかかる費用は、多くの方が想像する一般的な引越しやハウスクリーニングの費用とは桁違いに高くなる可能性があります。
これは、単にゴミの量が多いだけでなく、部屋が抱える問題が複雑化しているためです。費用の相場は、部屋の間取りやゴミの量、清掃の難易度によって大きく変動します。
まず、大まかな費用感を掴んでいただくために、一般的な相場をまとめた表をご参照ください。
| 間取り | 料金相場 | 軽トラック換算(目安) |
|---|---|---|
| ワンルーム・1K | 7万~30万円 | 1〜2台 |
| 1DK・1LDK | 13万~50万円 | 2〜4台 |
| 2DK・2LDK | 15万~60万円 | 3〜6台 |
| 3DK・3LDK | 17万~70万円 | 5〜8台 |
| 4LDK以上 | 22万~100万円以上 | 6台以上 |
金額がそれぞれ異なるのは、ゴミ屋敷の状況が一軒一軒異なるためです。料金はあくまで目安として捉え、必ず現地で業者に見積もりを依頼することが重要となります。
費用はゴミの量と間取りで大きく変わる!
ゴミ屋敷の片付け費用を決定する最も重要な要素は、実は間取りよりも「ゴミの総量」です。
間取りが広くてもゴミが少ない場合と、狭い部屋でも天井までゴミが積み重なっている場合とでは、後者の方がはるかに費用が高くなることが珍しくありません。
費用は、主に作業員が何人で、何日かけて作業するかによって決まる人件費、そしてゴミを運び出すために必要なトラックの台数や処分費によって変動します。
例えば、一人暮らしのワンルームでも、床一面にゴミが敷き詰められていれば、軽トラック1台で運び出すのは難しいでしょう。その場合、作業員が増えたり、トラックのサイズが大きくなったりするため、必然的に料金は高くなります。
「100万円かかる」は本当?
「ゴミ屋敷の片付けに100万円かかった」という話を聞き、不安を感じている方もいるかもしれません。結論から言えば、ゴミ屋敷の清掃費用が100万円を超えるケースは極めて稀ですが、決してゼロではありません。
では、どのような場合にこれほど高額になるのでしょうか。実際の現場の経験から、費用が高額になる代表的なケースを解説します。
| 高額になるケース | 家の状況 |
|---|---|
| 部屋数が多くゴミの量が膨大 | 実家や一軒家など、部屋数が多い物件では、押入れや納戸、屋根裏などに大量の不用品が隠されていることがあり、見た目以上に作業が大規模になり費用が高額になります。 |
| 水漏れや糞尿によるゴミがある | ゴミが長期間放置された結果、飲み物のこぼし跡や糞尿、雨漏りなどで床や壁が汚染され、清掃の難易度が格段に上がり、特殊な処理が必要となるため費用が増加します。 |
| 害虫・害獣が大量に発生している | 不衛生な環境はゴキブリ、ハエ、ネズミなどの害虫や害獣の温床となり、清掃作業の前後に専門的な駆除や除菌作業が必須となり、追加費用が発生します。 |
| 孤独死や自殺などがあり特殊清掃が必要 | 通常の清掃では対応できない体液や腐敗物の除去、強烈な悪臭の消臭作業が必要となり、専門的な知識と技術を要する特殊清掃が必要となるため、数十万円から100万円近くの費用が発生することもあります。 |
| 構造的な修繕やリフォームが必要 | ゴミの重みで床が抜けてしまったり、カビや腐敗で壁や床下まで汚染が広がったりすると、清掃だけでなく大規模な解体やリフォームが必要となり、費用がさらに膨らむ傾向にあります。 |
ゴミ屋敷退去費用を構成する3つの内訳

ゴミ屋敷の退去費用は、大きな金額として提示されることが多いため、何にいくらかかっているのか分からず不安になるものです。しかし、その内訳を理解すれば、費用の妥当性を判断しやすくなります。
ゴミ屋敷の退去費用は、主に以下の3つに分類できます。
- ゴミの処理費用
- 原状回復費用
- 特殊清掃費用
それぞれの内訳について詳しく解説していきます。
ゴミの処理費用(不用品回収・ゴミの仕分け・搬出)
この費用は、部屋の中にある全てのゴミや不用品を正しく分別し、梱包し、部屋から運び出して処分するためにかかる費用です。
これはさらに細かく以下の3つの要素に分けられます。
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 人件費 | 作業スタッフの人数と作業時間によって変動。ゴミが多い、仕分けに手間がかかるほど高くなる。 |
| 車両費 | トラックの台数、サイズ、ガソリン代、高速道路料金など。積載量が多いほど高くなる。 |
| 処分費 | 回収したゴミの処分費用。家電リサイクル法対象品目などは別途リサイクル料金が発生。 |
多くの業者は、これらの費用をまとめて「パック料金」として提示することがあります。
この料金には、基本的な仕分けや梱包作業、貴重品探索などが含まれている場合が多いため、事前にサービス内容を確認することが大切です。
原状回復費用(清掃・修繕)と敷金精算
「原状回復」とは、賃貸契約において借主が退去時に負う義務であり、借りた当時の状態に戻すことを指します。
しかし、これは新品同様に戻すという意味ではありません。国土交通省が定めた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、借主の故意・過失による損傷や汚損は借主負担、経年劣化や通常の使用による損耗は貸主負担とされています。
ゴミ屋敷の場合、通常の使用範囲をはるかに超えた「過失」と見なされるケースが多く、以下のような修繕費用が請求されます。
| 修理項目 | 内容 |
|---|---|
| 壁紙・フローリングの張替え | 食べ物の染み、カビ、タバコのヤニ、糞尿による汚損は借主の過失と見なされ、張替え費用が発生します。特に広範囲にわたる場合、数十万円規模の高額請求につながります。 |
| ハウスクリーニング | 通常のクリーニングでは落としきれない汚れや悪臭がひどい場合、専門的な清掃費用が追加で発生します。 |
退去時には、入居時に支払った敷金からこれらの費用が精算されます。ですが、ゴミ屋敷の場合は敷金だけでは足りず、追加で費用を支払うことがほとんどです。
自分がどこまでの清掃・修繕費用を負担すべきかを知ることは、大家さんからの不当な高額請求を回避する上で重要です。
特殊清掃費用(消臭・除菌・害虫駆除)
「特殊清掃」は、通常の清掃では対処できない、強烈な悪臭や腐敗した汚れ、害虫などを取り除くための専門的な作業です。この費用は、ゴミの処理費用やハウスクリーニング費用とは別枠で計上されることが一般的です。
特殊清掃が必要となる主な状況には、ゴミの腐敗による悪臭やカビ、水回りのひどい汚れによる害虫の大量発生などが挙げられます。具体的な作業内容には、専門の薬剤を使った除菌や消臭、オゾン脱臭機による室内の消臭、害虫駆除などが含まれます。
費用は作業の内容や広さによって大きく変動し、消臭や除菌だけでも数万円から数十万円かかることがあります。
部屋の状況を正確に把握し、見積もりに特殊清掃が含まれているか、その費用が妥当なものかを事前に確認することが大切です。
知っておくべき!ゴミ屋敷の退去費用を安く抑える方法

費用を知ると絶望的な状況に思えるかもしれませんが、退去費用を少しでも安く抑える方法はあります。
すべてを業者任せにするのではなく、自分でできることを実践したり、賢く業者を選んだりするだけで、最終的な負担額は大きく変わります。ゴミ屋敷の退去費用を安く抑える方法を詳しく解説します。
自分でできることから始める
「すべてを自分で片付けるのは無理だ」と感じていても、業者に依頼する前にできることはたくさんあります。
以下のような作業は、業者側の作業時間と人件費を削減し、結果的に費用を抑えることにつながります。
- 明らかな不用品を分別する
ペットボトルや空き缶、古紙など、明らかにゴミだと分かるものを分別するだけでも、業者の作業効率が大幅に向上します。 - 貴重品を探索する
現金、通帳、身分証明書、思い出の品などは業者に探索を依頼すると追加費用が発生することがあります。無理のない範囲で、自分で貴重品を探しておくことをお勧めします。 - 可能な範囲で清掃する
床の液体の染みやカビなど、目立つ汚れを拭き取るだけでもハウスクリーニングの作業が簡素化され、費用が抑えられる可能性があります。
不用品に買取価値がないか確認する
まだ使える家電や家具、アクセサリー、ブランド品などは、ゴミとして処分するのではなく、買取に出すことで費用を減らすことができます。
不用品の買取サービスを提供している業者に依頼すれば、片付けと同時に査定・買取を行ってくれるため、手間が省けます。買取金額は、最終的な作業費用から差し引かれるのが一般的です。
思わぬものがお金に変わる可能性もあるため、片付け作業を始める前に買取サービスを行っている業者かどうかを確認してみてください。
複数の業者から相見積もりを取る
ゴミ屋敷の清掃費用は、業者によって料金設定が大きく異なります。そのため、1社だけでなく、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」は、適正価格を見極める上で不可欠なプロセスです。
相見積もりを依頼する際は、必ず現地調査をしてもらうことが重要です。写真だけで概算を伝える業者もいますが、現場のゴミの量や質、搬出経路などを確認せずに提示された見積もりは、当日になって追加料金を請求されるリスクが高いからです。
複数の見積書を比較することで、料金の透明性や業者の対応姿勢も把握できます。
行政や公的機関に相談してみる
費用を支払うのが難しいほど金銭的に困窮している場合でも、諦める必要はありません。多くの自治体では、ゴミ屋敷問題を抱える住人のために、専門機関と連携した支援を行っています。
まずは、お住まいの地域の地域包括支援センターや市区町村の窓口に相談してみてください。そこでは、ゴミ屋敷になった原因を一緒に探り、経済的な支援や福祉的なサポートを受けられる可能性があります。
生活保護を受給している方への支援事例も存在するため、一人で抱え込まず、専門家に相談することが解決への第一歩となります。
失敗しない!信頼できるゴミ屋敷清掃業者の選び方

「悪質な業者に騙されるのでは」という不安は、ゴミ屋敷の片付けを検討する上で大きな壁の一つです。
しかし、信頼できる優良業者を見抜くための明確な基準を知っておけば、安心して依頼を進めることができます。
一般廃棄物収集運搬業の許可を持っているか
家庭から出るゴミを回収・運搬するには、自治体の許可が必要です。
無許可の業者は不法投棄などの違法行為を行うリスクがあります。ホームページで許可番号が明記されているか、必ず確認しましょう。
ゴミ屋敷の片付け実績が豊富か
実績が豊富な業者は、様々な現場に対応してきたノウハウを持っています。
ホームページに過去の作業事例(特にビフォーアフターの写真)が掲載されているかを確認し、自分の状況に近い事例があるか調べてみましょう。
現地調査を行い、詳細で明確な見積書を作成してくれるか
優良業者は、必ず現地に訪問してゴミの量や作業環境を確認し、詳細な見積書を提示します。
項目ごとに内訳が明確に記載されているか、追加料金の有無についても確認しましょう。
不用品の買取サービスを提供しているか
買取サービスは、費用を安く抑えるだけでなく再利用を促す信頼性の高いサービスです。
清掃内容にハウスクリーニングが含まれているか
片付けだけでなく、ハウスクリーニングや消臭作業まで一貫して行ってくれる業者であれば、別の業者を探す手間が省け、退去までをスムーズに進められます。
料金が相場からかけ離れていないか
極端に安い料金を提示する業者には、後から不当な追加請求をする意図が隠されている可能性があります。相場を参考に、複数の業者の料金を比較しましょう。
スタッフの対応が丁寧で、親身になってくれるか
最初の問い合わせから、こちらの質問に誠実に答えてくれるか、こちらの不安に寄り添ってくれるかなど担当者の人柄も重要な判断材料です。
Googleの高評価クチコミで選ばれた大阪市優良ゴミ屋敷片付け業者をピックアップ!
要注意!こんな業者は危険?悪質業者に共通する5つの特徴
残念ながら、ゴミ屋敷の片付けという切実な悩みにつけ込む悪質な業者も存在します。
悪徳業者に共通する特徴を知っておけば、被害を未然に防ぐことができます。
「無料」「格安」を過度に謳っている
ゴミ屋敷の清掃には、人件費や処分費など様々なコストがかかるため、無料で片付けられることはまずありえません。こうした業者の中には、作業終了後に法外な費用を請求してくるケースがあります。
会社の所在地や固定電話の連絡先が不明
会社のホームページに住所や固定電話の記載がなく、携帯電話番号しか明記していない業者は警戒が必要です。トラブル発生時に連絡が取れなくなるリスクがあります。
現地調査をせず、明確な料金を提示しない
電話やメールだけで「〇〇万円です」と金額を確定させる業者は、後から「ゴミの量が多かった」「作業が困難だった」などと理由をつけて、追加料金を請求してくる可能性が高いです。
見積もりや作業中の立ち合いを嫌がる
作業中の立ち合いを嫌がる業者は、貴重品を抜き取ったり、不適切な方法でゴミを処分したりする危険性があります。
契約を急かしたり、質問にはぐらかしたりする
「今すぐ契約すれば割引します」などと契約を急かしたり、質問に明確に答えなかったりする業者は、ノウハウが不足しているか悪意があるかのどちらかです。
退去時に焦らないために!ゴミ屋敷と賃貸物件の法律・行政知識

ゴミ屋敷という問題に直面すると、大家さんや近隣住民とのトラブルへの不安も大きくなります。
しかし、法律や行政の仕組みを少しでも理解しておくことは、自分を守り冷静に対処するために役立ちます。
賃貸物件の退去で必ず知っておくべき原状回復義務とは
賃貸物件に住む借主には、民法上の「善管注意義務」が課せられています。これは「善良な管理者の注意をもって、借りたものを管理・使用する義務」です。
ゴミ屋敷の場合、部屋を不潔な状態にしたり、腐敗やカビを放置したりすることは、この義務に違反すると見なされます。
しかし、原状回復の範囲には「経年劣化」という重要な考え方があります。たとえば、壁紙の日焼けや家具の配置による床のへこみなど普通に生活していれば避けられない損耗については、借主が費用を負担する義務はありません。
ゴミ屋敷によって生じた清掃・修繕費用をどこまで負担すべきかは、賃貸借契約書や国土交通省のガイドラインが基準となります。
もし大家さんから不当に高額な費用を請求されたと感じたら、これらの情報を基に冷静に交渉することが可能です。
部屋を強制的に片付けられる?ゴミ屋敷条例と行政代執行
「ゴミ屋敷は個人の財産の問題だから、勝手に片付けられない」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは原則的にはその通りです。
しかし、悪臭や害虫の大量発生、火災リスクなど近隣住民に多大な迷惑をかけている場合、話は別になります。
多くの自治体では「ゴミ屋敷条例」が定められており、近隣からの相談を受けて、行政が本人に指導や勧告を行います。それでも状況が改善されない場合、最終手段として「行政代執行」が行われ、行政が費用を立て替えて強制的にゴミを撤去します。
この場合、撤去費用は後日、住人に請求されることになります。
このプロセスは指導から始まるため、時間がかかります。しかし、強制的な手段が取られる可能性があることを知っておくことで、早めに自ら行動することの重要性を再認識できるでしょう。
まとめ
ゴミ屋敷の退去費用を構成する要素から、具体的な節約方法、そして法律や行政の知識まで詳しく解説しました。
この問題は、一人で抱え込んでも解決しません。大切なのは、あなたの心の重荷を下ろし、具体的な行動計画を立てることです。費用や業者選びへの不安は、正しい知識を持つことで必ず解消できます。
この記事を通して、ゴミ屋敷の問題を冷静に整理し、「まずは専門家に相談してみよう」という気持ちにつながれば幸いです。
プロの力を借りることで、部屋だけでなく、心の中もすっきりと片付けることができるでしょう。新しい生活へ向かう第一歩を、今、踏み出してみませんか。
よくある質問
ゴミ屋敷の片付けを自分一人で行うのは難しいですか?
精神的・肉体的な負担を考えると、自分一人で完全に片付けるのは困難な場合が多いです。ゴミの量が想像以上に多かったり、悪臭や害虫が発生していたりすると、心が折れてしまいがちです。
また、賃貸物件の場合、退去日までに間に合わないリスクもあります。無理にすべてを自力で進めるよりも、一度専門業者に相談し、何から始めるべきか、どこから任せるべきかプロの視点からアドバイスを受けるのが賢明です。
ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼するメリットは何ですか?
費用はかかりますが、業者に依頼するメリットは計り知れません。まず、経験豊富なスタッフが短時間で効率的に作業を完了させてくれます。
また、適切な分別や処分を行い、不法投棄などの法的なリスクも回避できます。さらに、特殊清掃やハウスクリーニングまで一貫して任せられるため、精神的な負担が大幅に軽減され、新生活へスムーズに移行できます。
賃貸物件をゴミ屋敷にしてしまい、大家さんや管理会社にバレたくありません。どうすればいいですか?
退去手続きを進める上で、大家さんや管理会社に現状を把握されることは避けられません。隠そうとするのは、かえってトラブルの原因になりかねません。
しかし、事前に専門業者に相談し、見積もりや作業内容を把握した上で、適切な対応を検討することはできます。大家さんに連絡する前にプロに「この状態ですが、どうすればいいか」と相談し、できる限り部屋を元の状態に近づけておくことで、退去時の心証を良くし、交渉を有利に進めることが期待できます。
